スリッページについて
スリッページとは、注文を発注した価格と実際に成立した価格との差額のことをいいます。マーケットで大きなニュースが出た場合等、市場のボラティリティが高まった際には特に発生しやすくなります。スリッページは、株、為替、コモディティ等、すべての銘柄で発生する可能性があります。スリッページは、お客様に有利に働くこともあれば、不利に働くこともあります。
スリッページの概要について
FX取引やCFD取引では、注文を発注した価格と実際に成立した価格との間に差額が生じることがあります。これはFX取引やCFD取引に限ったことではなく、他の金融取引でも生じることがある現象で、「スリッページ」と呼ばれています。スリッページは、取引の対象となる金融商品等の短期的な需給の変動や、為替市場をはじめとした原資産市場の急激な価格変動等のような、常に価格が変動する金融市場の特性によって発生します。
スリッページは、成行注文の執行時のみではなく、指値注文や逆指値注文が成立する際にも発生する可能性があります。これは、発注した価格に市場の価格が到達した際に成行で注文が成立する仕組みとなっているためです。
また、大きなニュースが出された後等に、市場のボラティリティが高まることがありますが、このような環境下で取引をした場合には、通常よりもスリッページが発生する可能性が高まります。
スリッページは回避できるの?
スリッページはブローカーが意図的に発生させるものではありません。スリッページの発生には原資産市場の相場環境が強く影響します。Plus500JP証券では、実際の相場環境に基づいた取引を提供していることもあり、発注価格通りに取引が成立することを保証することはできません。
ただし、一部の銘柄の決済逆指値注文において、スリッページリスクを無くすことができるギャランティー・ストップ注文を提供しています。ギャランティ・ストップ注文は指定した価格で決済することを保証し、スリッページの発生を防ぐことができますが、手数料がかかります。ギャランティ・ストップ注文をはじめとした、弊社のリスク管理ツールの詳細については、こちらをご覧ください。
スリッページは必ずしも不利なものとは限りません
スリッページは、トレーダーに有利に働く場合もあります。例えば、売りの注文が発注された価格よりも高い価格で成立する場合や、買いの注文が発注された価格よりも低い価格で成立した場合です。いずれの場合も、確定できる利益は想定よりも高くり、損失は少なくなります。一方、トレーダーにとって不利に働く場合もあり、この場合は想定したよりも確定できる利益は減り、損失は大きくなることになります。
スリッページが発生する例
取引例1:有利に働いた場合 1ユーロ1.345米ドルの買い注文をしていたが、実勢レートが急落し、発注価格に最も近い実勢レートである1ユーロ1.342米ドルで注文が成立した。
取引例2:不利に働いた場合 1ユーロ1.345米ドルの逆指値買い注文をしていたが、実勢レートが急騰し、発注価格に最も近い実勢レートである1ユーロ1.347米ドルで注文が成立した。
取引例3:指値注文 1ユーロ1.345米ドルの売り指値注文をしている場合に、実勢レートが1.341から1.347へと急騰し、発注価格に最も近い実勢レートである1ユーロ1.347米ドルで注文が成立した。
スリッページにご注意を
価格変動が激しいとスリッページは発生しやすくなります。米雇用統計など重要な経済指標の発表前後、経済イベントや大きな災害等の発生時は価格変動が大きくなりやすく、スリッページの発生リスクが高まるため注意しましょう。