FX取引の始め方
最終更新日: 2023/12/07
実際に資金を投じてFX取引行う前に、FX取引 の仕組みやルール、リスク等についての理解を深めましょう。FX取引(外国為替証拠金取引)とは、CFD取引(差金決済取引)という金融商品の一種で、外国為替市場を原資産市場としたものを言います。FX取引においては、取引対象となる原資産の受け払いは行わずに、原資産の価格変化によって生じる損益のみを取引します。
この章では、このFX取引について、より詳しく解説していきます。
*価格のイメージ図
FX取引とは
初めてFX取引を行うのであれば、まずはその原資産市場である外国為替市場についての勉強をすると良いかもしれません。
まず、外国為替市場で取引される通貨の価格表示について説明します。外国為替市場は異なる国の通貨を交換する場で、取引対象となる銘柄の名称はUSD/JPY、EUR/USDのように、二つの通貨が並んだ形で表記され、この形式を通貨ペアと呼んでいます。 通貨ペアはベースカレンシー(基軸通貨)とクオートカレンシー(決済通貨)で構成されており、その価格は為替レートと呼ばれています。為替レートにはペアになっている二つの通貨の発行国の国力(経済力、政治力、軍事力、資源など)の差が反映されますが、これらの国の経済に関する様々な経済指標やニュース、政治的なイベントの動向等の影響を受けて、為替レートは変動します。
このように、FX取引における取引銘柄に当たる通貨ペアが、どのように構成され、価格である為替レートとどのような関係性にあるのかを知ることは、FX取引の仕組みやルールを理解する上でもとても重要です。
FX取引と外国為替取引の違い
ここからは、FX取引とFX取引の原資産市場で行われる外国為替取引の違いについて説明します。冒頭でも触れたように、外国為替市場は異なる国の通貨を交換する場であり、その取引である外国為替取引においては交換する通貨の全額を用意する必要があります。例えば、USD/JPYが1ドル=135.00円のときに、1万ドルを日本円で交換する取引を行いたい場合、取引代金の総額である135万円を用意して相手方に支払うことで、1万ドルを受け取ることができます。この後、USD/JPYの為替レートが137.00円まで上昇した際に、先程受け取った米ドルを円と交換する取引をすると、今度は137万円の日本円を受け取る事になり、差し引きで2万円の利益を得ることになります。
一方で、FX取引では同じ取引(1万ドルを相当する円で交換する取引)を行う際に135万円を用意する必要はなく、それよりも少ない金額(例えば10万円)で取引を開始する事ができます。なぜなら、FX取引は実際の通貨の受け渡しを行うことをせずに取引対象となる通貨ペアの価格の変動から生じる売買差金だけを受け払いする取引で、その取引を行うためには実際の取引金額である135万円の一部の金額(最少で25分の1=5万4千円)だけを用意すれば良い取引であるためです。その後、先程の例と同じくUSD/JPYの為替レートが137.00円まで上昇した際に、ドルを円に交換する取引(反対売買や決済といいます)を行えば同様に2万円の利益を得ることができます。
このように、少ない資金でより大きな規模の金額の取引を行えることをレバレッジ効果と呼びます。このレバレッジ効果を生むことができることが、FX取引の大きな特徴と言えるでしょう。ただし、レバレッジ効果によって拠出した資金を超える規模の取引を行うことは、資金効率の高い取引ができるというメリットがある反面、思惑と反対に相場が自分にとって不利な方向へ動いた際に発生する損失も大きくなるというリスクもあります。FX取引を行う際は、このようなリスクを常に念頭においておく必要があります。
CFD取引と先物取引の違い
外国為替市場を原資産市場とするデリバティブ取引には様々な種類がありますが、そのなかでも代表的な取引であるCFD取引(外国為替市場を原資産市場としたCFD取引がFX取引です)と先物取引の違いをご紹介します。
先物取引 | CFD取引(FX取引) |
---|---|
先物取引は取引所取引です。 | CFD取引はその多くが相対取引(OTC)です。 |
先物取引には決済期限があり、ポジションは決済期限までしか保有することができません。 | CFD取引には決済期限が無く、ポジションは決済が行われるまでいつまでも保有することができます。 |
先物取引は、多くの場合取引手数料が発生します。 | CFD取引は、多くの場合取引のコストは手数料ではなくスプレッドの形で発生します。 |
先物取引では、取扱業者はお客様にとって取引の相手方ではなく仲介者の役割を果たします。 | CFD取引では、その多くでPlus500JP証券のような取扱業者がお客様の取引の相手方となります。 |
※取引所取引の形式をとるCFD取引(東京金融取引所取り扱いのFX/CFDサービス)もあり、その形式の取引は決済期限の項目を除き、先物取引と同様の特徴を持ちます。
FX取引行う上で覚えておきたいこと
FX取引は資産運用の手段として他の金融商品と比べて便利な点が多くある反面、相対的にリスクが高くなる点もあります。以下ではFX取引の特徴を解説しながら、FX取引のメリットやデメリットについて触れてまいります。
- いつでも取引ができる- FX取引は、土日を除いて平日は24時間いつでも取引が可能です。クリスマスの日等の一部の日を除き、祝日でも市場は動いており、時間を選ばずに取引ができるというメリットがあります。ただし、反面としてポジションを保有している場合は、常に価格変動のリスクを負うこととなるため、逆指値注文を設定しておくなど、価格を確認できない時間帯におけるリスク管理の方法を考える必要があります。
- 流動性の高い市場 - 外国為替市場は、1日の平均取引量が7.5兆ドルの大規模でグローバルなマーケットです。エキゾチック通貨等、一部の通貨によっては流動性の低い銘柄もありますが、全般としては高い流動性が維持されており取引が成立する即時性も高いといえます。
- 高いボラティリティ- FX取引の原資産市場である外国為替市場は比較的価格の変動が大きい市場と言えます。これは、収益機会が多いと言い換えることができます。ただし、その反面では損失の可能性も同じだけ大きいといえ、取引の際には注意が必要です。
- レバレッジ効果を利用できる- FX取引の大きなの特徴の一つです。レバレッジ効果を効かせることで、大きな規模の金額の取引を少ない資金で行うことができ、資金効率の高い取引が実現できます。ただし、その反面では相場が思惑と反対に動いた際の損失の拡大も大きくなるため、リスクとリターンのバランスを十分に配慮して取引をする必要があります。
- 難解な外国為替市場 - FX取引の原資産市場である外国為替市場は、世界各国の経済情勢をはじめ、政治や貿易のバランス、時に宗教的な要因等多くの事象がその価格に影響を及ぼし合っているため、各通貨ペアの価格動向を予測するのは難解です。ただし、多くの要素が関連するということは、いろいろな論点からの分析が可能であるということでもあり、得意な分野・好きな分野の知識を取引に生かすことができるという側面があります。
- 有効な取引には一定の知識・経験を要する- FX取引に限ったことではありませんが、有効な取引、つまり収益性の高い取引を実現するためには、一定の知識や経験が必要となります。必要な知識・経験は、価格を予測するためのもの、リスクを管理するためのもの等いくつかの分野に分類できます。これらの知識に関する情報は弊社のサイトで随時ご紹介しております。
FX取引のリスクを管理する
これまでに述べたように、FX取引はレバレッジ取引であることから、拠出している資金の金額が実際に取引をしている金額に比べ小さいため、取引のリスクが相対的に高くなります。具体的には、少しの値動きで発生する損益に大きな影響が出てくる取り引きです。このようなリスクを管理するための手段として、指値注文や逆指値注文等の注文方法を活用することが挙げられます。特に、現在価格に対して自分にとって不利な価格を指定する逆指値注文は、価格が思惑から外れた動きをした際に、損失を一定程度に抑えることができる点でとても有効です。弊社では、スリッページを発生せずに、必ず指定した価格で注文を成立させるギャランティ・ストップ注文や、価格が自分にとって有利な方向へ動いた際は、その価格に沿って逆指値注文の発注価格を自動的に変更していくトレイリングストップ注文等、弊社のプラットフォームではお客様のニーズに沿った注文方式がそろっています。もちろん、これらの注文はFX取引のリスクを軽減させることはできても、完全に防ぐことができるわけではありません。これらの注文を活用するとともに、リスク・リワード・レシオを利用して、自分がとれるリスクの度合いを確認する等し、FX取引をうまく自身の資産運用に取り入れてください。
以上のように、FX取引は資産運用の手法として非常に便利な側面がある反面、リスクも高い金融商品です。弊社のプラットフォームでは、取引のリスクをコントロールするための多彩は注文方式をご用意しております。また、相場の動向を的確に把握するために必要な情報も、プラットフォーム上もしくは弊社のホームページにて随時ご提供しております。
*価格のイメージ図
Plus500証券でご利用頂けるプラットフォームではお取引のリスクを軽減するために活用できる様々な注文形式をご用意しております。また、相場予測に役立つ多彩なテクニカル分析ツールもございます。これらの機能を利用して、有効な取引戦略を構築することができます。ただし、実際のお取引には常に資金を失うリスクが生じます。実際のご資金を運用するためにの知識や経験が十分でないと感じたら、まずは無料デモ口座でお取引を体験してください。
*この記事は一般的な情報を提供するものであり、お客様の状況を個別に考慮したものではありません。