FX取引の基礎知識

FX取引における基本的な分析手法

最終更新日: 2023/12/07

取引戦略を実行する:

ここからは、実際にFX取引を行う上で、どのようにファンダメンタルズ分析やテクニカル分析が使われるかを一般的な取引手法に併せてご紹介します。

まず一つ目がデイトレードです。この取引手法は数時間~十数時間のうちにポジションの構築から決済までを完結させる方法です。概ね1日のうちに取引を完結させることからこのような名前がついています。短い時間で取引を完結させるため、大きな価格の変動は狙いにくく、デイトレードにおいては取引数量が大きくなる傾向にあります。また、非常に短い期間の価格動向を予測する必要があることから、分析手法はテクニカル分析のみが用いられることが多いようです。取引回数も多くなる傾向が高く、どちらかというと上級者向けの取引手法です。
次にご紹介するのが、スイングトレードです。こちらは概ね数日から数週間の期間でポジションの構築から決済までを完結させる手法です。長ければ数週間にわたってポジションを保有することもあるため、短いトレンド(一定期間同じ方向に値動きが続くこと )を意識しながら価格動向を分析する必要があります。そのため、スイングトレードを行う際は、テクニカル分析だけではなく、経済指標や経済ニュース等の影響を考えたファンダメンタルズ分析も有効となるでしょう。ファンダメンタルズ分析によって売買の方向性を決定して、テクニカル分析によって実際にポジションを構築するタイミングを決定するというように、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を併用する手法をとるトレーダーも多いようです。尚、デイトレードに比べてポジションの保有期間が長い分、デイトレードに比べると変動幅の大きな取引となることも多く、取引数量を小さく抑えることができます。
最後に、ポジショントレードです。ポジショントレードはスイングトレードよりも更に長い期間、数週間から数カ月、時には年単位でポジションを保有する取引手法です。長期にわたってポジションを保有するため、ポジションの構築にあたってはファンダメンタルズ分析の重要性が高まります。長期的な経済情勢の傾向性を掴むため、複数の経済指標や、それらを踏まえた金融政策等の見通しを分析する必要があるでしょう。長期わたってポジションを保有するため、期待される価格の変動幅はスイングトレードよりも大きくなり、選んだ通貨によっては金利調整額等の蓄積も期待できます。そのため、ポジションの取引数量は更に小さくすることもできます。ただし、思惑と反対の流れとなってしまった場合は、大きな損失が出てしまう可能性もありますので、常に想定している状況から変化がないかを観察して、想定とことなる状況へと転じた際はすぐに分析の見直しを行うことが大事になります。

これが分析手法と取引手法を組み合わせた取引戦略の立て方の例となります。取引戦略にはトレーダー個々の好みや得意分野によって、無数の手法があります。自身に合った取引戦略を考えて見て下さい。以下では、テクニカル分析を行う際に使われるテクニカル指標のうちで、よく使われているものをいくつかご紹介します。

  • 移動平均 -指定した期間の価格の平均値を線上に表現した指標で、もっとも多く利用されるテクニカル指標の一つです。平均値の取り方の違いにより、単純移動平均線(SMA)、指数平滑移動平均線(EMA)、加重移動平均戦(WMA)等の種類があります。 一般的に利用されているのが通常の平均値を使った単純移動平均線で、単に「移動平均線」と呼んだ際は単純移動平均線を指す場合がほとんどです。一方で、直近の価格に重みを付けて算出した平均値を使った指数平滑移動平均線は、MACD等他のテクニカル指標に応用されることが多く見られます。移動平均線を設定する際は、何本分の平均値をとるかの設定を行う必要がありますが、その期間の設定値は、フィボナッチ数(3,5,8,13,21,34,55等々)の中から選ばれるケースが多いようです。
  • MACD(移動平均収束拡散手法) - 移動平均線を応用したテクニカル指標で、MACD・シグナルと呼ばれる二本の線と、それらの間隔を示す、ヒストグラムと呼ばれる棒グラフからなります。MACDには様々な分析手法がありますが、MACDとシグナルの関係性を利用したものが最もシンプルな利用法であるといえます。具体的には、MACDがシグナルを下から上に追い抜いたタイミング(ゴールデンクロスといいます)を「買い」のサイン、反対にMACDがシグナルを上から下に追い抜いたタイミング(デッドクロスといいます)を「売り」サインと捉える方法です。MACDを算出するには(短期EMA、長期EMA、シグナル)の3つのパラメーターを設定する必要がありますが、この指標の開発者であるジェラルド・アペル氏が推奨する(12,26,9)の組み合わせが最も多く利用されているようです。
  • RSI(相対力指数) - その銘柄の「買われすぎ」・「売られすぎ」の状態を示すテクニカル指標で、指標の計測期間であるパラメーターは、開発者であるJ.Wワイルダーが推奨する14日間を使用するのが一般的です。この指数は0から100%の範囲で推移し、過去から現在にいたるまでの期間のなかでの相対的な相場の強弱を教えてくれます。
  • ボリンジャーバンド - 移動平均線とその標準偏差によって表されます。移動平均線の標準偏差により描かれた上下のラインをアッパーバンド、ローワーバンドと呼び、それぞれをその価格における上振れ・下振れの閾値と捉えて、このバンドを逸脱した価格が出た際は再びバンド内に収束する事を見込んで逆張りの取引を行います。また、バンド幅はボラティリティの度合いも表すため、バンドの拡大と収縮のサイクルから、トレンドの発生と収束をとらえる分析方法もとられます。具体的には、バンド幅狭い時はトレンド形成に向けた準備期間である捉えて様子をみて、バンド幅が拡大する際に、トレンドが形成され始めたと認識して移動平均線と同じ方向(上向いていれば買い、下向いていれば売り)へ取引を進める方法です。ボリンジャーバンドを描くためには移動平均線の期間と標準偏差の数値の2つのパラメータを設定する必要がありますが、この指標の開発者であるジョン・ボリンジャーが推奨した(20,±2σ)の組み合わせが多く使われているようです。
  • USD/JPYのチャートを背景にしたインジケータの設定画面

    *価格のイメージ図

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